おひとりさま相談室

両家墓にする場合、墓地と霊園では何が違ってくるの?2016-10-17

夫婦が長男長女同士の場合、基本的には両家のお墓を二人で守っていかなければなりません。

そこで、夫の実家の墓に一緒に埋葬し両家墓にしたいと思っているかたもいらっしゃいます。

その際の改修計画の方法などについてのご相談もいただいております。

両家墓にする場合には、寺墓地と霊園とでは状況が違ってきます。

寺墓地は、その寺の檀家となることが前提となるので、両家の宗旨・宗派を確認する必要があります。

もし両家の宗旨・宗派が違う場合は、改宗しなければならないケースも出てくるでしょう。事前に、住職に相談してみることをお勧めします。

霊園は、原則として宗旨・宗派を問わないため、両家の宗教が異なったとしても建立は可能となります。

棹石に両家の家名を刻むこともできますし、洋型墓の場合は石碑に両家の家名や好きな言葉を彫るという方法もあります。
 
実際に家名や文字を刻む場合には、既にある棹石や石碑は替える必要がでてくるでしょう。

その際には、建立後あまり年月を経ていないことが条件になってきます。

年月が大分経っていると、見た目の経年変化や、石質の変化などを生じている場合が考えられるからです。

棹石を替えたが全体の色バランスが悪い、作業中に台石などが崩れてしまったなどということにもなりかねません。

そのため建立した石材店と相談して、現在の墓の状態を必ず確認をして、改修計画に取り掛かってください。

また、棹石のみの建替え、石碑の建替えのいずれの場合でも、現在の石碑を外す時と、建替えた時の両方のタイミングで、魂抜き、魂入れの儀式を行うことになります。

お墓の移動手続きにかかる費用はどれくらい?2016-10-17

「お墓が遠いので近くの霊園に移したいと考えています。移動にかかる費用はどのくらいなのでしょうか?」

こういったご相談も増えてきていますね。

お墓の移動(移転)には、今埋葬されている墓地だけではなく、移動先の墓地に対しても費用が発生します。

移転にかかる費用の内訳は以下のとおりです。

【移転元の墓地】
①閉眼供養料(御魂抜き) 供養をされるご住職にお支払いします。
寺院によって異なるようですので、お寺に伺って下さい。

②遺骨の取出し・墓石処分・区画工事費用等(石材店への支払い)
お墓の大きさによっても異なりますのでお見積りをとられるようお勧めしますが、少なくとも数十万円はかかるものとお考え下さい。
  
③離檀料(お布施)
移転元が寺院墓地の場合で、離壇が伴う場合には発生する場合があります。
有無自体お寺によってまちまちで、その金額も5万円から数百万円とも言われており定まっておりません。
少なくとも小職の経験では離檀料をもらったご住職はいません。
まずは檀家総代など詳しそうな方に内々で聞いてみるのがよいでしょう。
なお、以前支払った永代使用料は戻りません。

【移転先への支払い】
①開眼供養料(お布施、お寺に納めます)
小職のまわりでは数万円と言われています。

②お墓の工事費等(石材店に支払)
新規に墓石から購入するか、既存の墓石をそのまま持ってくるのかによっても大きく金額は異なります。
指定石材店が決まっている墓地(霊園)が多いと思います。
まずは石材店を紹介してもらい、複数の見積もりをとるようにしましょう。

③戒名料(お布施)
移転先が寺院墓地の場合および一部民営霊園の場合に戒名をつけることが求められる場合があります。
なお、移転元で既に戒名がある場合でも宗派が異なると付け直しが必要になることもあります。
移転先の管理者等に事前にご相談下さい。

また、現在あるお墓を引越し先の別の墓所に移転したい場合の手続きの流れについてもご説明させていただきます。

一度埋葬した遺骨を他のお墓に移すことを「改葬」といいます。
改葬には、以下の手続きが必要となります。

(ア)前のお墓の管理者から「埋葬(埋蔵・収蔵)証明書」の発行を受ける
(イ)前のお墓の所在する市町村役場に申請して、「改葬許可証」を交付してもらう
(ウ)新しいお墓の管理者に「改葬許可証」を提出する。

なお改葬許可申請にあたり、事前に「移転先のお墓の管理者から「受け入れ証明書」を発行してもらう」という決まりがあるかも知れません。
(小職がお預かりした事案で事前にお墓の管理者から受入証明書を発行してもらったことはありません。)

ペット霊園ではなく、一緒のお墓に入れてあげたいのですが・・。そんな墓地はありますか?2016-10-17

「家族同然のペットがおり、もしもの時は一緒のお墓に入れたいと考えております。そのようなお墓、墓地はありますか?」

というご相談も最近では増えてきていますね。

従来、ペットの納骨は宗教上の理由などから墓地管理者に断られるケースが多いのが実情でした。

しかし、ペットを家族の一員として考える人が増え、徐々にではありますが一緒に入れる所もできているようですが、まだまだ数少ないのが現状です。

どうしても難しいのであればペット霊園で手厚く葬ってあげるのがよいでしょう。

姉のお墓を探したい・・どうすればお墓を見つけることができますか?2016-10-17

「姉の墓石を探しております。一周忌にお墓参りに行った記憶はあるのですが、残念ながらその墓地の名前は覚えておりません。他の肉親とは連絡とれず現在探しております。
どうすればそのお墓を見つけることができるでしょうか?」

こんなご相談もいただきました。

お姉さまと縁のありそうな寺院・霊園等を一つひとつあたっていく他はありません。

亡くなってから5年経過すると住民票の除票もとれなくなるため、縁のある土地がどこかさえも調査しにくくなります。

できるだけ早めに小職にご相談下さい。(お墓を探してもらえる業者はいないと思います。)

お寺への寄付金が支払えない・・そんな時どうすればいい?2016-10-17

「現在寺院墓地にお墓があります。最近、この寺院の寄付金負担が大きくなり、このままだと支払えなくなってしまいそうです。どうしたらいいでしょうか?」

こんなご相談をいただきました。

基本的には連絡を絶やさずお墓参りもきちんと行っていきながら、ご住職に事情を説明してご相談されるのがよいかと思います。

また、日ごろのお付き合いの程度によりますが檀家総代をされている方に相談するというのもよいでしょう。

寄付金は強制ではありませんので、寄付金を払わなくては離檀させるというのは明らかな誤りです。

大抵のご住職はそれぞれの方の経済状況に応じて考慮してくれるはずです。

但し、払いたくないから払わないという理由では通用しません。

そのような方は霊園等に改葬されることをお勧めします。

檀家制度というのは檀家の皆さんでお寺の維持管理を行っていこう・負担していこうというネットワークですので、お檀家さん同士での負担の不公平感が出てしまいますと何かとトラブルの元になってしまいます。

最近「墓友」というような新語も出てきているようですが、お檀家さん同士のつながりの方が強い絆で結ばれているのを実感します。

寺院の檀家は寄付金があるから避ける、という考えも否定はしませんが、檀家制度には金銭に代えられない、よい面も数多くある、ということはぜひご理解頂きたいと思います。

指定石材店制度とは?墓石を買うのに石材店は勝手に決めちゃいけないの?2016-10-17

先日霊園の見学に行ったら、指定された石材店以外の建立は駄目だと言われましたが本当でしょうか?

「指定石材店」とは、墓地の経営主体より建墓権を与えられた石材業者のことを言います。

寺院墓地や民営霊園に関しては、石材店が指定されており、それ以外の石材店で建墓することはほぼ不可能とお考えください。

霊園墓地の永続性・墓石の保証という観点から、「素性がはっきりした石材店に限定する」という考えに基づいているようです。

指定石材店の工事見積もりが高いのではないか、というご相談を頂いたことがあります。

少なくとも小職がお付き合いさせて頂いている石材店は業歴も長く、安心して施工をお任せできます。

実際に石材店が行った工事を見て、お墓へのこだわり等を聞いてみるのもいいのではないか、と思います。

お墓の管理料を未払い、滞納するとどうなるの?2016-10-17

墓地使用規則において、管理料が3年以上未払いの方に対して、「3年以上管理料を未払いの場合は永代権を失います」と記載したいと考えています。

霊園で定めた規約以外、墓埋法などで、永代の使用権や墓石の撤去ができるということを聞いていますが、それは墓埋法の第何条にあたるのでしょうか?

無縁墳墓の改葬手続きに関しては、墓地埋葬法5条に関する事項にあたると解されますが、管理料滞納者への対応については、墓地埋葬法といういわゆる公法の範疇ではなく、あくまで墓地経営者と使用者との関係という民事法の範疇であると考えられます。

管理費を「支払っていない」事実がある以上、裁判所に供託されていない限りにおいては、あくまで「管理料未払い」「滞納」であり、それを理由とした使用許可の取り消しが行われることになります。

ただし、「墓地使用権」というものの性格を考えますと、多少の管理料支払の遅延については許容しなければならない余地があるとも考えられます。

あくまで私見であることをあらかじめお断りしておきますが、墓地使用規則に3年以上管理料未払いの場合に使用権を失うという規定を入れること自体は寺院墓地、霊園問わず定められている内容であり、後にその効力自体を否定される内容にはあたらないものと考えます。

一方、実際に墓石を撤去できるか、という問題に関しては、管理料滞納の事実があったからといって、即使用権消滅と考えない方がよいと思います。

その他にも、例えば何度も督促を行った、督促も郵便だけではなく、電話連絡等を行った、滞納者の対応もきわめて不誠実であり、その交渉記録も残っている、使用区画も荒れ放題で参拝に来た形跡がない等の細かな事実を積み重ねた上で、実質的に滞納者が使用権を放棄しているものと考えられる場合に撤去できるものと考えるのがよいと思います。

納骨堂とお墓ってどう違うの?跡継ぎがいなくても大丈夫なのはどっち?2016-10-17

お墓と納骨堂ってどう違うのとは?というご質問もよくいただきます。

「墓地、埋葬等に関する法律」によると、納骨堂とは「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」と定義されています。

一般のお墓との大きな違いは、「他人の委託を受けて」という部分だと解されます。

一般のお墓は使用者が自ら使用できる箇所(区画)に納骨をするのですが、納骨堂の場合には、納骨堂の管理者に遺骨を納めてもらう、という形態になります。

もともと納骨堂は、墓地に遺骨を埋葬するまでの間、一時的に遺骨を預けるという施設であったため、預かり期間が定められている場合が多かったようです。

しかしその後、一時的な遺骨の預け先としてではなく更新可能の期間延長ができる施設も増え、恒久的に遺骨を祭祀する施設の役割を担うことになり、お墓なのか納骨堂なのか区別の難しい施設も出てきています。

納骨堂は、後継者がいないと入ることができない一般墓地と違い、跡継ぎがいなくても購入でき、しかも比較的安価である点などが人気を博しています。

また、墓を建てなくてもよいと捉える一般の方々の宗教観の変化も、こういった埋葬方法を後押しする要因にもなっているようです。

納骨堂には、ロッカー式、棚式、仏壇式、墓石式、機械式などさまざまなタイプがあります。

最近の傾向としては、自動的に骨壺が運ばれてくるコンピュータ制御された自動搬送式の納骨堂など評判になっています。

また、宗旨、宗派を問わない施設も多いようです。

屋内スペースなので掃除の必要はありませんが、自分たちだけの場でないため、お花や供物を供えることなどについては、それぞれの施設のガイドラインに従わなくてはなりません。

お墓の相続手続きについて教えて下さい2016-10-17

ここ最近「お墓の相続手続きについて教えて下さい」といったご相談をよくいただきます。

お墓は、不動産や預貯金等の一般の相続財産とは区別され、祭祀財産といい、祭祀主宰者が承継することとなっています(民法897条1項)。
祭祀主宰者は必ずしも法定相続人である必要はなく、以下のように決定されます。

(1)被相続人による指定
(2)慣習
(3)家庭裁判所の決定

遺言書で指定されているのが条文に忠実でもっとも望ましいのですが、祭祀主宰者の指定を行っている遺言はあまり見たことはありません。

実際には被相続人の長男が承継していることが多いように感じます。

お墓の後継ぎがご心配な方は正式な遺言書を作成しておくことをお勧めします。

お墓を継ぐことが決まりましたら、お墓の管理者に届け出をして下さい。

それぞれ指定の用紙があり、添付する書類も異なっていますので、手続きに行かれる前に、必要な書類をご確認下さい。

対応エリア
埼玉エリア

【埼玉県】
熊谷市、深谷市、本庄市、東松山市、行田市、羽生市、美里町、小川町、嵐山町、滑川町、吉見町を中心に、埼玉県すべての市町村が対応エリアとなります。

【群馬県】
太田市・伊勢崎市・館林市、大泉町、邑楽町、明和町

その他の地域の方は、出張費が別途かかる場合がございますので、まずはご相談ください。

コラム最新記事
トップに戻る