散骨について考える

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最近終活をテーマにしたマスコミの記事、テレビ番組等で散骨が採り上げられることが多くなりました。

但し、多くの問題が整理されないまま実施されているように感じます。

そもそも法務省の見解で「節度をもって行えば違法ではない」とされたことが、散骨を推進する方々を後押ししていると思いますが、住民の反対運動が起こり、条例で散骨を禁止する市町村もあります。

当事務所の近隣では、本庄市が本庄市散骨場の設置等の適正化に関する条例を制定しており、散骨場を設置するにあたり、墓地の新規開設と同様の規制・手続き方法を採っていますが、その設置基準について、

(1) 敷地の境界が、公園、学校、保育所、病院その他の公共施設又は現に人の居住する建造物の敷地境界からおおむね300メートル以上離れていること。ただし、施設にあっては管理責任者、住居にあっては当該世帯の代表者全員の同意を得たときは、この限りでない。

(2) 敷地の境界は、河川又は湖沼からおおむね100メートル以上離れていること。

以上のような非常に厳しい内容となっており、事実上開設が困難となっています。

散骨では粉骨(ご遺骨をパウダー状にすること)が必要条件となっているようですが、散骨・粉骨がいわゆる「国民の宗教的感情」に照らし、許容される範囲に含まれるのか否かが合法と違法の分かれ目になると思います。

私の個人的な感情では、ご先祖様のご遺骨を私が粉末にして撒いてしまうという行為には抵抗感を感じざるを得ません。

ご本人やご遺族として、散骨・粉骨を望まれることを否定するつもりはありません。

国民の宗教的感情に合致しなければ、散骨・粉骨をされる業者さんが少なくなるだけだと考えています。

お墓を持たなくていいから散骨、という安易な方向に流れないように、さまざまな葬送の一つの選択肢として理解して頂けるよう、終活にかかわる関係者の方々に十分な配慮をお願いしたいところです。

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